新宿ゴールデン街に6月18日、「プチ文壇バー 月に吠える」がオープンしました。
マスターの肥沼和之さんは1980(昭和55)年東京生まれです。ライタースクール通学後、通信会社での社内報制作、求人系広告代理店勤務を経て、2009年にフリーに転向しました。主にビジネスとノンフィクションの分野でジャーナリストとして活躍しています。
肥沼さん自身も酒が好きで、ゴールデン街にも足しげく通っていたということです。「いつか自分の店を、できればゴールデン街に出したいと思っていたが、夢のまた夢だと思っていた。不動産屋さんに空き店舗の情報を聞いた際、勢いで契約した」ということです。「新しい雑誌を立ち上げる感覚で開いた。出版業界での経験やコネクションを生かした情報発信の手段としても機能するバーにしたい」とも話しています。
店舗面積は3.3坪で席数は6席です。店内には貸し出し自由の書籍コーナーを設け、小説からノンフィクション、エッセーまで幅広いジャンルの本を並べています。「来店客同士で気軽に本に関わる知識を語り合い、交流することのできる場所を目指す」ということです。「従来の『文壇バー』は敷居が高い雰囲気で、料金も高額というイメージがあるが、当店では雰囲気もメニューの値段も、気軽に立ち寄れるように心掛けた」と肥沼さんは言います。
「バーという業態にとどまらず、いろいろな活動や仕掛けを行い、文化発信地としての役割も担いたい」と「月に吠える文学賞」も立ち上げ、8月ごろから作品募集を予定しています。執筆業を志す人へのコンペ情報や求人情報を提供していく予定もあるということです。
肥沼さんは「私自身も現役ジャーナリストで、バイトで入る女性も現役ライターや編集学校の卒業生。来店客には編集者など出版業界者が多いので、気軽に『物書き』の世界に触れることができるのでは。執筆業に関わりたいという志を持つ人にとっての『入り口』にもなれれば」と意気込んでいました。