9. 名詞が目に入ったら考えること

こんにちは。
網野智世子です。

前回のメールでは、

私たち日本語ネイティブにとって、
動詞が使いこなせないのは勉強不足や
頭の優劣ではなく、

言語の環境からくる合理的な理由があった、

ということを書かせていただきました。

つまり、動詞の使い方を知っているか知らないか、
それだけで長い目で見ると大きな差が出てくることが
ご想像いただけると思います。

それでは、
「動詞を軸にして学ぶ」
とはどういうことでしょうか?

これについて考えてみましょう。

まず、これまでのメールでも書かせていただいた
とおり、センテンス(文)で軸になるのは動詞です。

そこで、ある言葉を見た場合に、
この言葉が動詞に対してどのような位置関係で、
どのような役割を持っているのかを識別することが
とても重要になってきます。

例えば、

J’apprends le francais.

(私はフランス語を習っている/勉強している)

というセンテンスでは、
軸になるのがapprends (アプロン)、
つまり「勉強する・習う・習得する」等を
表す動詞apprendreの1人称単数現在です。

(現時点でフランス語を全くご存じない方も、
「アプロン=勉強する」という動詞なんだな、
ということをなんとなく感じて頂ければ大丈夫です)

これを軸にすると、
「私」を表すJe (上の文では次にくる動詞が母音で始まるためJ’となります)は
apprendsの主語、
「フランス語」を表すlefrancaisはapprendsの目的語になっている

・・・のように考えることができます。

(フランス語にまったく触れたことがない方には分からないかも
しれませんが、現時点ではイメージだけでも掴んでいただければ
大丈夫です)

ここでは文法的に複雑な話に入ることは差し控えますが、

「センテンスの中での動詞以外の言葉と動詞との関係を把握する」

という思考をする上で、
非常に重要で念頭において頂きたいことを
ひとつだけお話いたします。

それは、

フランス語では「名詞」(上の文のような冠詞+名詞のセットも含む)は
センテンスの中では動詞の目的語になることが多い

ということです。

このことは英語にもあてはまりますし、
他のSVO文型主体の言語にもあてはまります。

私たち日本人学習者は、日本語の名詞、
特に漢字の名詞がセンテンスの中で
強い存在であることに影響されてか、
名詞に目が行きがちです。

これは、単語を覚える際にしても、
センテンスや文章を理解したり表現したりする上でも同様です。

しかし、フランス語を学ぶときは、
名詞が目に入ったら
「この名詞は、どういう動詞の目的語になるか」
ということを意識することをお勧めします。

つまり、動詞を主役と考えて、
この名詞はどのような主役と相性がいいのか、
ということを考えるわけです。
今までとはまったく違うアプローチ方法だといえますね。

次のメールでは、「動詞」に主眼をおいた学習方法に
ついてさらに掘り下げてみましょう。

網野智世子

網野式・動詞フォーカスフランス語入門【ネイティブ音声付き・メールサポート付き】~本物のフランス語を身につけたい方へ~

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