こんにちは。
網野智世子です。
前回のメールでも書かせていただきましたが、
「動詞」の「動」は「時間とともに」
ものごとのありようが持続する、
あるいは変化する、
ということなんですね。
いってみれば、
動詞は四次元的な言葉
といえます。
動詞の持つこの特徴は、
他の品詞にはないものです。
たとえば日本語の品詞の中で、
助詞や接続詞などの付属語は置いておいて、
名詞や形容詞、副詞などの自立語を
動詞と比較してみると、
それぞれの言葉の持つ内容は
時間的には「止まっている」、
言い換えれば「三次元的世界」の
言葉であることがわかります。
このことは、
あなたが目で見ているものを
言葉で表そうとしてみると
実感しやすいと思います。
例えば、
道を歩いていて赤信号で立ち止まった
とします。
単純に「信号」について表してみましょう。
「赤信号」とか、
「信号は赤だ。」
などと名詞だけあるいは名詞と形容詞系統
(「赤だ。」は形容詞プラス助動詞だと思います)
で表すと、
イメージ的に「静止している」感じですよね。
あるいは、
ある一時点の画像を切り取ったような感じかもしれません。
他方、
「信号が赤になった。」
と表すと、「なる」という動詞を使うことで、
イメージ的に「時間の幅がある」あるいは
「動画的」な感じがしませんか?
これは、直訳的に表してみるともっとはっきりします。
「赤信号」なら
red signal(フランス語でいえば(le) feu rouge),
「信号は赤だ」なら
The signal is red (now).(Le feu est rouge. )
そして「信号が赤になった。」だと
The signal turned red.
(Le feu passe au rouge.)
になります。
名詞・形容詞は「静止画的」、
動詞は「動画的」・・・
これは、フランス語をはじめ、全ての語学学習を
進める上で重要なヒントになります。
名詞・形容詞は「静止画的」
動詞は「動画的」
ぜひ覚えておいてください。
網野智世子