こんにちは。
網野智世子です。
多言語で日記を書こうとすると
いろいろな言語の辞書を引きまくる
ことになります。
この作業の中で、
「特に頻繁に辞書を引く単語がある・・・」
ことに気づきました。
それは、
「いつ」という時間に関係する副詞
(あるいは副詞句・副詞 節)の表現と、
「なにをする・した」つまり動詞の
語彙や活用形についてでした。
英語は動詞の活用パターンが少ないですし、
中国語やインドネシア語のように
動詞が活用変化しない言語もある一方で、
フランス語・スペイン語などの
ラテン系ヨーロッパ言語などは
動詞の活用を覚えることが大仕事になります。
「辞書を頻繁に引く」ということは、
それだけそのことを書く頻度が高い
ということです。
そこで、
「なぜ、時間関係の言葉と動詞が特に多いんだろう・・・?」
「そしてそもそも、動詞の「動」ってどういうことだろう?」
と考えるうちに、
こんな考えが浮かびました。
「動詞が時間概念を持っている」
のではないか?
・・・動詞が時間概念を持っている、
と聞くとあなたは
「現在形とか過去形とかの時制があるから?」
と思うかもしれません。
確かにそれもここでいう「時間概念」にあたります。
他方、上に述べたように、
言語によっては時制を持たないものもあります。
時制の有無だけでは他の品詞と区別できない、
とすれば・・・。
何語であるとにかかわらず
「動詞」には共通する「何か」があるのではないか。
動詞はそれ自体が「時間概念」を持っていること。
そして私たち人間がみな「時間」の中で言葉を使って
生きているからではないか・・・。
ということで広辞苑で「動詞」を引いてみると、
次のような説明がありました:
「動詞:事物の動作・作用・状態・存在などを時間的に持続し、
また時間的に変化していくものとしてとらえて表現する語。(以下略)」
これを英語に訳すと次のようになります:
“A word by which we express motion, action,
status or existence of things as lasting/continuing
or changing/transforming itself following TIME…”
つまり、「動詞」の「動」は「時間とともに」
ものごとのありようが持続する、あるいは変化する
ということなんですね。
いってみれば、動詞は
「四次元的な言葉」
といえるかもしれません。
次回は、動詞のこの「四次元的な」性質について
さらに掘り下げてみたいと思います。
網野智世子