15. 英語にも・・・

こんにちは。網野智世子です。

フランス語と英語は「動詞」の地位が高く、
文法上も共通点が多いということを
何度か書かせていただきました。

そのためかと思いますが、

「網野式で英語教材は出ていないのですか?」

というご質問を結構頂きます。

メールでご相談いただいた方には
直接ご返信させていただいていたのですが、

お問い合わせが多かったため
メルマガ上でもご案内させていただきます。

「動詞」を活用して英語を効率良くマスターする
方法です。
私がTOEIC980点を獲得した際のノウハウを全て
詰め込みました。

■TOEIC980点獲得!30歳からできたラクラク英語マスター法!

ぜひご参考にしてみてください。

網野智世子

網野式・動詞フォーカスフランス語入門【ネイティブ音声付き・メールサポート付き】~本物のフランス語を身につけたい方へ~

14. フランス語教材の内容は?

こんにちは。網野智世子です。

先日ご紹介しました、
網野式・動詞フォーカスフランス語入門

にご質問を頂きましたので、
お返事をさせていただきます。

▼ご質問

網野式・動詞フォーカスフランス語入門の教材に
興味があるのですが、
内容や構成はどのようになっているのでしょうか?
よろしければ教えていただければありがたいです。

■ご回答

本書の内容としましては、
以下のような構成になっています。

【導入部】

 (フランス語を初めて学習される方向けに、
  学習方法のご提案や基礎の解説)

[本教材の学習方法のご提案]
第一編 文字と発音
~フランス語の音の波 に適合するための綴りと発音の規則~
Aフランス語のアルファベ[alphabet]
Bフランス語の発音規則 ~日本語ネイティブが注意したい事項を中心に~
第二編 基本文法編:動詞基軸で わかる・話せる・書ける!

【基本編】

 (フランス語初級文法を「動詞基軸」で
  とらえなおした文法と例文の学習)

序 章 センテンスの全体像をおおまかに把握する
第1章 動詞(1) 直説法現在形・近接過去形・近接未来形
第2章 動詞(2) 直説法複合過去形:「完結した過去」
第3章 動詞(3) 直説法半過去形:中途「半」端な「過去」
第4章 動詞(4) 大過去形
第5章 動詞(5) 直説法単純未来形・前未来形 ~確実でない未来と、未来完了の形~
第6章 動詞(6) 動詞を使った仮定表現:仮定文と条件法
第7章 動詞(7) 話法と時制の一致
第8章 動詞(8) 原形
第9章 動詞(9) 接続法
第10章 動詞(10) 現在分詞とジェロンディフ
 復習エクセサイズ
 動詞以外の品詞/文法事項
第11章:名詞・冠詞
第12章 所有表現・指示表現:動詞のオブジェクト=名詞・代名詞の属性を示す言葉
第13章 形容詞:名詞=「動詞のオブジェクト」の性質や状態を表す言葉
第14章 不定形容詞・不定代名詞
第15章 目的格人称代名詞:動詞のオブジェクトの代名詞
第16章 疑問代名詞・疑問副詞・中性代名詞: 「誰が・何が・どれが」/「いつ・どこで」-
「何をする」=動詞の主体・状況を問う言葉; 「動詞」の前に置く前出事項「それ・その人・そのこと」
第17章 関係代名詞:センテンスの主動詞が示す内容を 具体的に述べる節・句を導く言葉
第18章 前置詞:動詞のオブジェクト=名詞に付属する言葉 (+多くの場合、動詞を補助しつつ名詞に付属する言葉)
第19章 副詞:主に動詞を修飾する言葉
第20章 比較表現-動詞で表された「状態」の程度を 形容詞・副詞の
第21章 条件法・接続法をとらない従位接続詞による複文 ~仮定・理由などを表せるようになる~
 復習エクセサイズ

【実践編】

 (あいさつや日常的な会話、旅行などで使える易しい会話表現を、
  ゲーム感覚での1つ1つ穴埋めや文字並べ替えなどの
  エクセサイズ形式にしました)

第三編 実践編:動詞基軸で基本会話表現を身につける!
Aあいさつ
B最初の応答・呼びかけ表現
C義務・必要性・依頼・許可を求める表現
D質問表現・困った時の表現
E自己紹介
F日本を紹介する
G感情表現
[解答編]
[おわりに]

カバーしている内容は少し詳し目の
初級文法といった感じですが、

「フランス語を動詞基軸でとらえる」

ことを徹底している点に特徴があります。

また、サイトでも述べていますがフランス語は
センテンスの中での語順が厳しく決まって
いることから、

どの単語がどの品詞にあたるかを識別することが
重要になってきます。

そこで、テキストでは動詞につきましては

「色分け表示」

を行っています。

この色分けにより、
動詞をはじめとした
「識別能力を身につける必要がある品詞」が
認識しやすくなっています。

また、もちろんフランス語の例文や単語に
つきましては、
フランス語ネイティブの音声ファイルが
付属しています。

これにより、テキストを持ち歩かない場合でも、
通勤電車や車の中、お部屋などでフランス語の
ネイティブ音声を聞くことができます。

文法の説明事項はトータルでは
ラジオ講座入門編や市販の入門書のカバーする範囲と
それほど変わらないのですが、

構成を明確に「動詞基軸」にしています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

まず、基本文型にあたる動詞関連の章を
前半に置いています。

基本編でひととおり、
おおまかにでも文法と易しい文を
理解できるようになった段階で
最後の実践編に進み、

旅行会話などの会話表現集に載っているような
実用的な会話を学習して頂きます。

この段階では、
実際の会話場面を想定しながら学習が
できるので、かなり楽しく学習して
いただけるかと思います。

ちなみに、
私自身の経験からも
会話表現が訳つきで並んでいるだけですと

「日本語訳を見ただけで理解した気になってしまう」

おそれがあります。

そこで、考えながら身につけて頂けるよう、
すべての表現例が問題形式になっています。

単語はなかなか1回では覚えられないので、
重要な単語については、
あえて同じ単語の問題が繰り返し
出てきたりするように工夫してあります。

最後の会話表現エクセサイズまで学習して頂ければ、
フランス語の基本は確実に身につけられるでしょう。

もっとも、どの言語の学習でもそうですが、
単一の教材の限られた例文・問題演習だけをやるよりは、
ひとつ「基本書」のようなベースを決めた上で

他の学習素材にも少しずつあたってみていろいろな
文や文章に接触することをお勧めしています。

「動詞フォーカス」を基本書として頂く場合は、
お手持ちのフランス語教材を時々読み(聴き)直してみると、
新たな発見があったり、覚えやすくなったりすると思います。

(文や文章を読む場合は、
少なくとも動詞や動詞句に色をつけることをお勧めします。)

以上ご回答でした。
ご参考にしていただければ幸いです。

■網野式・動詞フォーカスフランス語入門
(期間限定特典付き)

網野智世子

網野式・動詞フォーカスフランス語入門【ネイティブ音声付き・メールサポート付き】~本物のフランス語を身につけたい方へ~

13. ご質問をいただきました

こんにちは。網野智世子です。

メールをお読みの方からご質問を
いただきましたので、
ご紹介させていただきます。

▼以下が頂いたメールです
(読みやすいように少し編集してあります)

「網野先生、
かなり前よりメール拝読させて頂いております
◯◯と申します。
はじめてメールさせていただきます。

私はフランス語を身につけたいと思っているのですが、
英語すらなかなか身につかない状態でフランス語となると
さらに敷居が高そうで、躊躇しています。

ただ以前、網野先生のメールで
「フランス語の発音は英語よりも規則的で、カタカナでもかなり通じる」
ということが書いてあるのを読んで、
フランス語に本格的に挑戦したいと思うようになりました。

そこでご質問なのですが、私のようにフランス語知識ゼロの
状態から、フランス語を身につけるにはどうすれば良いでしょうか?

網野先生は20ヶ国語以上も習得されたとのことですが、
どのような方法で習得されたのですか?
よろしければ教えていただけましたら嬉しいです。」

▲メールおわり

メールありがとうございます。

毎日多くのメールを頂きますため
一件一件のお返事はできかねるのですが、

しばしば同様のご質問をいただくことが
ありますので、
こちらでご返答させていただきますね。

私がフランス語の前に、
最初の語学である「英語」の
勉強を本格的に始めたのは、
30歳になってからでした。

以前メールでも書かせていただいたので、
ご存知の方もいらっしゃるかも
しれません。

私は法律の資格試験の勉強を
していて、
7年間以上受験を続けたにも
かかわらず、

結局は挫折してしまいました。

職歴も無い、何の経験もない状態で
すがったのが語学の学習でした。

もちろん当時は、
自分が本業として語学を
扱う仕事をするとは
夢にも思っていませんでした。

ただ単に、

就職に有利になるから、
格好良いから、

というくらいの理由で
語学(英語)の学習を
はじめたのです。

そこで英語の学習を始めたわけですが、
どうしても勉強しては忘れ、
勉強しては忘れ、という
とても効率の悪い学習者でした。

どうしたらもっと効率的に学習できるのか?

そもそももっと早く英語学習を初めている人
がいるのに、自分は既に30歳という
遅れをどう取り戻すのか?

という焦りが重なって、
効率は余計に悪くなっていきました。

そこで私が思いついたのが、
語学をもっと論理的に分解してみる
方法です。

そのなかでも私が着目したのが、
「動詞」
でした。

これは重要ですのでメールでも
何度も触れさせていただいていますが、

英語やフランス語は「動詞」の地位がとても
高い言語です。

動詞が文章を支配し、
配下においていると言っても過言では
ありません。

その動詞をメインに攻略して、
その他の付属品を後から動詞にあてはめて
考えるという方法はどうか?

と仮説を立てました。

動詞は時間とともにあり、
時間の流れを示しています。

文章はそもそも、

人がどう思った、
何があった、
何をする、

というような歴史や未来、つまり
「時間の流れ」を伝える道具なのではないか、

という点に気づいたのです。

それからは、
動詞を中心に語学学習を進める
ことによって、

その後の4年間で

英語をはじめ、
フランス語や中国語、
韓国語、
フランス語、
スペイン語
イタリア語等々、

合計すると10ヶ国語で
プロ翻訳者として活躍できるまでの
スキルを身につけることができました。

また、
英語の次にフランス語を学習しはじめたきっかけは、
やはり「国際的影響力の大きさ」です。

フランス語は英語とともに、
国連の公用語として定められています。

国際郵便を利用されたことがある方なら
ご存知だと思いますが、

国際郵便は英語かフランス語で
記入することが標準となっています。

フランス語はヨーロッパのみならず、
北米、アフリカ大陸、オセアニアの島々等
世界で幅広く通用しています。

そのため、語学を習得する上で、
そして将来性という面から考えても
フランス語は外せないと考えたからです。

そしてその目論見どおり、
翻訳の仕事依頼はフランス語の
割合はかなり多くの部分を占めます。

私の教え子の中にも、
フランス語は大変珍しがられて
転職の際にかなり有利に働いた
という方がいらっしゃいます。

また、別の教え子の方は、

「英語だと上手か下手かが誰にでも
わかってしまいますが、
フランス語だと大半の方がわからないので、
少し話せるだけで”すごい人”扱い
されて驚きました・・・。

同じ努力をするなら、
フランス語の方がコストパフォーマンスは
高いということになりますよね!」

ということを話されている方が
いらっしゃいました・・。
確かにそれはあるかもしれませんね。

私もかなり前にフランス語に憧れて、
「動詞」に着目するずっと前に、
当時のNHKラジオ講座でフランス語を少し
学習したことがあったのですが、

私にはどうもとっつきにくく感じ、
教材を2~3ヶ月分購入しただけで、

結局はほとんど何も身につかないまま
挫折してしまいました。

その後、かなり年数が経ってからですが
「動詞」に着目した「動詞メソッド」と
私が名付けた方法で英語を習得してから、
フランス語を学習した時には、

以前とは景色が全く違って見える感覚を
味わいました。

参考書から、
動詞がまず浮き出て見えるような感覚で、
私自身も驚いたのを覚えています。

言語は、人間と人間のコミュニケーションです。

実際、人と話すときには抑揚や身振り手振り
が入ります。

それがコニュニケーションの大きな手助けに
なっているのですが、平板な文字の上では
全てが静的に固定され、
何も動きません。

その時に、
紙に不着したインクの集合体が、

活き活きを命を取り戻して
踊りだし、語りかけてくる、

そんな体験の手助けとなり、
そのとっかかりとなるのが「動詞」です。

では、その動詞を使って、
まず何をするのか。

フランス語を習得するのに、
動詞がどう役に立つのか。

フランス語を身につけたいあなたは、
まず今日から何をすればいいのか。

その方法をまとめたのが、
こちらのサイトです。
 ↓↓
網野式・動詞フォーカスフランス語入門【ネイティブ音声付き・メールサポート付き】~本物のフランス語を身につけたい方へ~

サイトの内容は少し長く感じて、
ざっと見て終わりにしている方が
いるかもしれませんが、
このサイト内容だけでも重要な
ヒントが多く隠されています。

フランス語を身につけたいとお考えであれば、
少しお時間を取って、
最初から最後までご一読ください。

網野智世子

網野式・動詞フォーカスフランス語入門【ネイティブ音声付き・メールサポート付き】~本物のフランス語を身につけたい方へ~

12. フランス語の極意その3

こんにちは。
網野智世子です。

フランス語を習得する3つの極意のうち、

今回は3つめの極意について書いてみましょう。

極意その3

【動詞を意識したリスニング、特にディクテーション】

まず、一般的に、リスニング能力向上のために
ディクテーションは非常に有効な方法です。

ディクテーションとは、
ここでは「聞いた音声を書き取ること」をあらわしています。

フランス語学習においても、
発音に関する規則(リエゾン・アンシャヌマン・
エリズィオン等と呼ばれる発音規則があります)と
「音と文字の対応」を身につけるうえで、
ディクテーションは必須といえます。

例として、
時刻に関する表現などは、
初期のうちに「文字表記と音とをしっかり対応させる」
練習をすることをお勧めします。

例えば、
Uneheure (1時)は「ユナール」のように発音します。

また、Deuxheures et demie(2時半)なども、
「ドゥ・ザール・エ・ドゥミ」というような
発音を聞いたら、
すぐにこのように書きとれるようになるのが目標です。

リエゾンなどの規則には、
「フランス語の音の波に適合した発音をするため」
という目的があります。
仮にそれがなければフランス語らしさが失われるからです。

リスニング学習を通して発音・イントネーションを
身につけるには、英語同様のシャドーイングや
リプロダクションがお勧めです。

シャドーイングとは、
音声を聞きながら、その音声を0.5秒くらい遅れて
追いかけるような形で自分も発音する練習です。

リプロダクションとは、
音声化された文章を聞いた後、
いったん音声をストップします。

そしてその状態で、聞いた文章をそっくり
そのまま自分で発音してみる練習です。

こちらは、
文章の塊をまるごと覚えていなければならないので、
シャドーイングよりも難しいといえます。

フランス語の習得にも、
このシャドーイング・リプロダクションの練習は必須です。

発音については、まずは
「音声をたくさん聞いて“それらしさ”を会得すること」
が大切です。

フランス語の「それらしさ」は、
意外に思われるかもしれませんが、
日本語の東北地方の方言にも通じるものがあります。

正直に申しますと、フランス語は「カタカナ読み」でも
かなりの割合で通じますし、

日本人がフランス語の発音を身につけることは、
実は英語や中国語よりも難しくないのです。

網野智世子

網野式・動詞フォーカスフランス語入門【ネイティブ音声付き・メールサポート付き】~本物のフランス語を身につけたい方へ~

11. フランス語の極意その2

こんにちは。
網野智世子です。

前回のメールでは、
効率よくフランス語を身につけるための【3つの極意】
のうち1つ目の極意を書かせていただきました。

今回は2つめの極意を公開させていただきます。

■極意その2

【SVOベースの短めの文を「動詞から」組み立てる練習をする】

これは、動詞の語彙と活用を身につけ、
フランス語らしい表現ができるようになることが目的です。

まずは、旅行会話の決まり文句のような10ワード以下の単文を、
(1)動詞、
次に
(2)主語(疑問詞を含みます)、
その次に
(3)動詞との関連が強い言葉(副詞や、目的語など)
   といった順で「動詞を起点に」組み立てる練習を
   してみましょう。

例を挙げてみます。

(フランス語がまったく初めての方は、
現時点ではイメージだけ掴んでいただければ大丈夫です)

例1:「(その場所まで)歩くとどのくらい時間がかかりますか?」

Il faut combien de temps a pied ?

・・・このセンテンスを、(combien, Il, pied, a, temps, faut, de)
などのように単語をばらばらに書き出してみてから以下のように組み立ててみます:

(1)「動詞」はfaut (「~しなければならない」を表す無人称構文の
   動詞falloirの直説法現在3人称単数)
(2)「主語」はここではIl (イル:英語のitにあたる)
(3)「動詞との関連が強い言葉」はまず「どのくらいの時間」]
  を表すcombien (ないしcombien de temps), 
  そして「歩いて」を表すa pied

→主語が最初、動詞はその直後ということでIl fautで始める。
→「どのくらい(の時間)」を次にもってくる: combien de~ の言い方
→「歩いて」を表すa pied

例2:「荷物を預かってもらえますか?

Vous pouvez garder mes bagages ?

(1)「動詞」はpouvez (能力・可能を表すpouvoirの直説法2人称複数現在)及び
garder(英語のkeepに似た動詞、ここでは「保管する/預かる」を表す)
※pouvoir+動詞の原形 という形です。

(2)「主語」はVous (「あなた」にあたる丁寧な2人称→文法上は2人称複数ですが、
  ここで指す相手は単数です)

(3)「動詞との関連が強い言葉」は動詞garderの目的語のmes bagages(私の荷物)

→主語Vousを最初に、動詞はpouvoir+garderの形を認識してpouvez garderの順にもってくる。
→目的語にあたるmes bagagesをそのあとに続ける。

現時点では難しく感じるかもしれませんが、基本がわかれば比較的
すんなりと頭に入ってくる内容ですので、ご安心くださいね。

学習が進んだあとで、このメールを読み返してみるととても
多くのことに気づけると思います。

それでは次回は、最後の【極意その3】をお送りさせて
いただきますね。

網野智世子

網野式・動詞フォーカスフランス語入門【ネイティブ音声付き・メールサポート付き】~本物のフランス語を身につけたい方へ~

10. フランス語の3つの極意

こんにちは。
網野智世子です。

フランス語を学ぶときは、
名詞が目に入ったら
「この名詞は、どういう動詞の目的語になるか」
ということを意識することをお勧めします。

つまり、動詞を主役と考えて、
この名詞はどのような主役と相性がいいのか、
ということを考えるわけです。
今までとはまったく違うアプローチ方法だといえますね。

ではいよいよ、動詞に主眼をおいた学習方法によって、
効率よくフランス語を身につけるための方法を
【3つの極意】として公開させていただきましょう。

■極意その1

【動詞基軸で文法をしっかり身につけ、動詞優先で単語を覚える】

これは、以下の2点に集約されます:

【1つ目】
文法(いろいろな文法項目、学ぶことがら)を、

(1)全体(センテンス)
   ↓
(2)中心(動詞)
   ↓
(3)周辺(それ以外の部分)

の3つのカテゴリに分けて考える。

通常の入門書は(1)~(3)の事項を
ばらばらに扱っています。

そのため、通常の入門書を使用する際は、
目次や各章の見出し部分を、
これらのいずれにあてはまるか項目分けして、

(1)に関する項目→(2)に関する項目→(3)に関する項目の

順番を意識して学習することをお勧めします。

現時点でその項目分け作業が難しく感じるとしましたら、
ひとまずは入門書の構成通りに学習を進めて、
ひととおり学習し終えてからそれを行っても結構です。

ただ、初期段階からでも、
ある文法項目が(1)(2)(3)のどれに
あてはまるかについては意識するようにしてください。

たとえば、”avoirとetre”とか、
「直説法半過去」などについてでしたら、
それらは(2)にあてはまります。

(まだフランス語の文法がわからない方は
イメージだけつかんで頂ければ大丈夫です)

また、unとかune, leとかlaなどの
「冠詞」の話は(3)にあたります。

さらに、
「疑問文」や「感嘆文」などについてでしたら、
(1)にあてはまることになります。
?

【2つ目】
単語については、重要動詞の活用形を、
やさしい会話表現や作文を通して覚える

このことは、
これからのフランス語学習で常に意識して
頂きたい部分です。

と言いましても、闇雲に覚えることは大変ですし、
お勧めしません。

まず最初は、
直説法現在と複合過去の活用形だけで結構です
(日常会話で出てくる動詞はこれらで8割がたを
占めるともいえます)

なお、フランス語では、発音が同じでも
人称によって綴りが違う場合が多いので、
どんなやさしい文であっても音読しながら書き取るか、
音声を手で書き取る練習をしたほうがよいです。

(例:「住む」を表すhabiterの直説法現在は、
j’habite, tuhabites, ilhabite, ilshabitentの
4つの形のいずれも「アビットゥ」と発音されます。
しかしtu(2人称単数)とils(3人称複数)では綴りが違いますよね)

まずはこの「極意その1」をはとても重要ですので、
最低3回は読み返してみてくださいね。

網野智世子

網野式・動詞フォーカスフランス語入門【ネイティブ音声付き・メールサポート付き】~本物のフランス語を身につけたい方へ~

9. 名詞が目に入ったら考えること

こんにちは。
網野智世子です。

前回のメールでは、

私たち日本語ネイティブにとって、
動詞が使いこなせないのは勉強不足や
頭の優劣ではなく、

言語の環境からくる合理的な理由があった、

ということを書かせていただきました。

つまり、動詞の使い方を知っているか知らないか、
それだけで長い目で見ると大きな差が出てくることが
ご想像いただけると思います。

それでは、
「動詞を軸にして学ぶ」
とはどういうことでしょうか?

これについて考えてみましょう。

まず、これまでのメールでも書かせていただいた
とおり、センテンス(文)で軸になるのは動詞です。

そこで、ある言葉を見た場合に、
この言葉が動詞に対してどのような位置関係で、
どのような役割を持っているのかを識別することが
とても重要になってきます。

例えば、

J’apprends le francais.

(私はフランス語を習っている/勉強している)

というセンテンスでは、
軸になるのがapprends (アプロン)、
つまり「勉強する・習う・習得する」等を
表す動詞apprendreの1人称単数現在です。

(現時点でフランス語を全くご存じない方も、
「アプロン=勉強する」という動詞なんだな、
ということをなんとなく感じて頂ければ大丈夫です)

これを軸にすると、
「私」を表すJe (上の文では次にくる動詞が母音で始まるためJ’となります)は
apprendsの主語、
「フランス語」を表すlefrancaisはapprendsの目的語になっている

・・・のように考えることができます。

(フランス語にまったく触れたことがない方には分からないかも
しれませんが、現時点ではイメージだけでも掴んでいただければ
大丈夫です)

ここでは文法的に複雑な話に入ることは差し控えますが、

「センテンスの中での動詞以外の言葉と動詞との関係を把握する」

という思考をする上で、
非常に重要で念頭において頂きたいことを
ひとつだけお話いたします。

それは、

フランス語では「名詞」(上の文のような冠詞+名詞のセットも含む)は
センテンスの中では動詞の目的語になることが多い

ということです。

このことは英語にもあてはまりますし、
他のSVO文型主体の言語にもあてはまります。

私たち日本人学習者は、日本語の名詞、
特に漢字の名詞がセンテンスの中で
強い存在であることに影響されてか、
名詞に目が行きがちです。

これは、単語を覚える際にしても、
センテンスや文章を理解したり表現したりする上でも同様です。

しかし、フランス語を学ぶときは、
名詞が目に入ったら
「この名詞は、どういう動詞の目的語になるか」
ということを意識することをお勧めします。

つまり、動詞を主役と考えて、
この名詞はどのような主役と相性がいいのか、
ということを考えるわけです。
今までとはまったく違うアプローチ方法だといえますね。

次のメールでは、「動詞」に主眼をおいた学習方法に
ついてさらに掘り下げてみましょう。

網野智世子

網野式・動詞フォーカスフランス語入門【ネイティブ音声付き・メールサポート付き】~本物のフランス語を身につけたい方へ~

8. マイルドな名詞表現?

こんにちは。
網野智世子です。

前回のメールでは、

日本語では述語として「形容詞」が強い力をもつ

ということをお話させて頂きました。

さらに、
日本人の私たちは「速く歩く」などと動詞主体で表すよりも、
「歩くのが速い」などと形容詞主体で表すほうを好むように
思います。

さらにもう一つの理由として、
日本語では名詞、特に漢字語の名詞が非常に多く使われていて、
これが文法的には名詞でありながら事実上動詞のような
働きをするためと考えられます。

つまりそれらの漢字語名詞が動詞にとってかわるか、
意味の弱い(ある・なる等)動詞しか使わずにすむためです。

たとえば、

「管理」

といった漢字2語から成る単語を考えてみましょう。

「管理」は日本語では文法的には名詞です。

ちなみに、
これらに「する」をつければ
「管理する」という
サ変「動詞」になりますよね。

しかし、私たちはたとえば
「十分管理されている」という動詞表現よりも
「管理が行き届いている」といった名詞表現のほうを
好んで使っているように思います。

これはまず、「管理」という名詞自体に
実質的に「管理する」という行為の意味、
動詞の意味が入っているため、

「管理する」という動詞を使わなくても
「管理」と言えば動詞を使うのと
同じような効果があるためといえます。

加えて(これは私の推測が加わりますが)日本人の感覚だと
「管理されている」という動詞表現は強く聞こえ、
「管理が行き届いている」といった名詞表現のほうが
マイルドで使いやすいからというのもあるかもしれません。

「管理」などの漢字語名詞はご存じのように
中国から入ったと考えられています。

しかし当の中国語(ここでは普通話を指します)では
「管理(グァンリ)」という言葉は名詞であると同時に
動詞としても使われています(例:管理??(グァンリツァイウー) 財務を管理する)

少し話がそれますが、
このように中国語では名詞と同じ語が
動詞としても使われる場合が多く、
それが文法上は名詞としてのみ扱われる
日本語に比べて動詞の語彙はずっと多いといえます。

上の例でいえば「管理が行き届いている」は通常、英語では
be well managed, be well looked after

仏語では
etre bien entretenu[エートル・ビヤン・アントゥフトゥニュ]
などの動詞表現が使われます。

以上のような2点の理由から、
日本人が一般的に「動詞に弱く」なっているとのだと思います。

またそれによって、
私たちはともすれば日本語パターンに引きずられた
「A(名詞)はB(形容詞)」を英語に持ち込んで、
「なんとかイズなんとか」という言い方をしたり、
(フランス語でも「なんとかエ(est)なんとか」といったり)

英語やフランス語でなら動詞1語で表せることを
make, do, give(仏:faire, donner)などの
手頃な多義語+名詞で言ってしまったりする傾向が
あるのではないでしょうか。

SVO言語(VSO言語含む)では動詞の地位が
一般に高いので、語彙も多いといえます。

私たち日本語ネイティブにとって、
動詞が使いこなせないのは勉強不足や
頭の優劣ではなく、

言語の環境からくる合理的な理由があったのですね。

動詞の使い方を知っているか知らないか、
それだけで長い目で見ると大きな差が出てくることが
ご想像いただけると思います。

網野智世子

網野式・動詞フォーカスフランス語入門【ネイティブ音声付き・メールサポート付き】~本物のフランス語を身につけたい方へ~

7. 日本語ネイティブの弱点

こんにちは。
網野智世子です。

私たち日本語ネイティブは端的にいえば
「動詞に弱い」ため、
英語をはじめフランス語、
そしてそれ以外の言語を学ぶ上で
ハンディキャップとなります。

私たちが日本語を母語としていることで
どういう影響を受けるのか、
それをよく理解していないと

「フランス語を勉強しているのにいつまでも上達しない」
「XX語は何年もやっているけどいまいちうまくいかない」

という悩みを抱え、
そしてその原因も分からずに、
得られるはずの有形無形の財産を
得ることなく人生を終えてしまう・・・

ということになりかねません。

ではなぜ、
日本語は動詞の地位が低いのか・・・

ここで
「動詞の地位が低い」
とは具体的にどう言うことでしょうか。

それは、おおまかに
「動詞の語彙が少ない」こと、
「文を作る上で一般動詞を使う頻度が相対的に低い」こと
であるといえます。

では、なぜ日本語はそのように動詞の語彙が少なく、
文を作る上で一般動詞を使う頻度が低いのでしょうか。

考えられる理由の1つ目は、日本語の

「文構造の特徴」

です。

よく
「英語は動詞が主語の次にくるけど、
日本語は動詞が文の最後に来る」
といいますよね。

これは「英語」を「フランス語」にいいかえても同様です。

これは、どの言語にもある「(文の)主部」と「述部」のうち、
動詞が属する「述部」が最初の方に来るか後の方に来るかの違いです。
(文型にたとえて「SVO言語か、SOV言語か」という言い方もできます。)

日本語は後者に属しますが、
このような特徴を持つ言語は韓国語ほか、
いわゆる「ウラル・アルタイ語系」の言語(フィンランド語、ハンガリー語、トルコ語など)や、
モンゴル語/モンゴル系諸語、ペルシャ語等イラン系言語、
インド系言語(ヒンディー、ネパール語・・)など相応に存在します。

ただし、述部が最後にあっても、ただそれだけでは動詞の語彙が
少なくなることや動詞を使う頻度が低くなることを完全には
説明できないと思います。

私の考えでは、日本語では述語の中で主な機能を果たす言葉、
文法用語で(活用する語、という意味で)「用言」と呼ばれる言葉
として動詞以外に形容詞があり、
この形容詞が動詞と似たような活用パターンをもち、

しばしば動詞にとってかわることが
日本語の中で動詞を弱める原因の一つであるとみています。

「活用」といいましたが、
あなたが中学の国語で習った現代国語文法か、
高校の古文で習った古典文法を思い出してみてください。

「未然形、連用形、終止形、連体形、仮定形(古文では已然形)、命令形」
というパターンです(忘れているかもしれませんが・・・)。
動詞と形容詞(+形容詞の一種ともいわれる形容動詞)はともに
この6パターンに従って活用しています。

試しに、「書く」とか「読む」とか「寒い」とか「美しい」とか、
適当な動詞や形容詞を思い浮かべてみてください。

※「書く」という動詞を例にとると
「書か(ない)」
「書き(ます)」
「書く」
「書く(こと)」
「書け(ば)」
「書け」
のように活用します。

これは日本語ネイティブの私たちは、
普段何も考えずに活用しています。
「美しい」という形容詞も、
動詞と同じようなパターンで活用されます。

・・・このことから、次のようなことが導かれます:

1.日本語の動詞は(中国語などと違って)活用変化はするが、
  それは英語のように時制を軸としたものではなく、
  その表す内容や後にくる言葉の品詞の性質に従った
  変化パターンをとる。
  そしてそのパターンは形容詞と同様である。

2.他方で、「寒かった」「寒ければ」など、
  形容詞の活用形1語で(厳密には助動詞を伴うが、語数としては1つの語で)
  意味的に過去・未来などの時制概念を表すことができる。
  これは英語ではwas coldのwasのようなbe動詞、
  その他の言語では主として「状態動詞」とよばれる動詞の一種を
  付加して2以上の語数で表すことと明確に異なっている。

・・・これだけでも、
日本語では述語として「形容詞」が強い力をもつ
ことがおわかり頂けると思います。

少し難しい説明になってしまったかもしれません。
次回、より分かりやすくまとめた内容をお話させていただきますね。

網野智世子

網野式・動詞フォーカスフランス語入門【ネイティブ音声付き・メールサポート付き】~本物のフランス語を身につけたい方へ~

6. 動詞に強くなる方法とは?

こんにちは。
網野智世子です。

前回のメールに続き、

「動詞に強くなる」

とはどういうことかを
考えてみましょう。

まずそれは、
動詞の語彙力(ごいりょく)を強化すること
を指します。

「語彙力」には、
単に「attendre = 待つ」などと
日本語訳を覚えることだけでなく、
それぞれの動詞の語義(複数の場合は出来る限り
すべての語義)と、
語義ごとの語法をしっかり身につけること
を含みます。

フランス語の動詞でいえばまず
「自動詞か、直接他動詞か間接他動詞か・・・」
という区別が重要です。

これが区別できていないと、
文法がわかるわからないのレベルではなく、
「フランス語が話せる」ようにはならない
といっても過言ではありません。

また、
英語同様フランス語動詞でも
「何を主語にとるか(人をとることができるか、
物・物事をとるか、両方OKか、また主語となる言葉は
限定されているか等)が大切です。

さらにフランス語の場合は、
関係代名詞que(英語でいうthat)に続く
「従属節」の中の動詞が「直説法をとるか、
条件法や接続法をとるか」という問題もあります。

・・・
と言っても、今この段階で上記のようなことを言われても
「???」
となるかと思います。

でも、大丈夫です。
現時点ではわからなくても、
これらは動詞に注力した方法で
学習していくうちに、
自然に身につくものです。

また、フランス語でこの問題をクリアできれば、
イタリア語・スペイン語などの他のラテン系言語、
さらにドイツ語など「接続法」をとる他の言語にも
応用できます。

・・・とはいえ、
これを読んだだけですと「それだけ?」と
思われるかもしれません。

「語義や語法をマスターするというなら名詞だって
形容詞だって副詞だって同じ、
というか動詞だけに限ったことじゃないじゃないか・・・」と。

しかし、私たち日本語ネイティブは、
いろいろな意味で「動詞」を特別視する必要がある
と私は考えます。

それは、
私たちは母語とする日本語の特徴ゆえに、
「動詞」に特に弱いからです。

そして、

日本語は、
世界の(文字を持った)言語の中でも
最も動詞の地位が低い言語だから

と言えます。

それゆえ、
私たち日本語ネイティブは端的にいえば
「動詞に弱い」ため、
これがともすれば英語をはじめフランス語、
そしてそれ以外の言語を学ぶ上で
ハンディキャップとなります。

私たちが日本語を母語としていることで
どういう影響を受けるのか、

それをよく理解していないと

「フランス語を勉強しているのにいつまでも上達しない」
「XX語は何年もやっているけどいまいちうまくいかない」

という悩みを抱え、
そしてその原因も分からずに、
得られるはずの有形無形の財産を得ることなく
人生を終えてしまう・・・

ということになりかねません。

網野智世子

網野式・動詞フォーカスフランス語入門【ネイティブ音声付き・メールサポート付き】~本物のフランス語を身につけたい方へ~